「不作をおてんと様のせいにするようじゃ、プロじゃねぇ」
カッコイイ。
バイヤーの琴線に触れるその一言は、
虎ノ門市場6/27(水)更新分でご紹介する「佐藤錦(さくらんぼ)」を生産された、
神町観光果樹園のオーナー太田忠良さんから発せられたお言葉です。
今年の山形県の佐藤錦は、
少雨と異常気温のために、実の付き方が例年の1/3程度だそうです。
ほとんどのさくらんぼ農家が壊滅状態で、
実際に私たちが現地に入ったときも、
道中のさくらんぼ農園にあった木々には、数えるほどの実しかなっていませんでした。
ところが、太田さんの農園に一歩踏み入って、頭上の木々を見上げると、
(その様子はこちら→http://www.toranomon-ichiba.com)
一粒口に運べば、「おいし~い!!」という、
なんのヒネリもないそのまんまの言葉を、ただただ、連発するばかり。
佐藤錦と聞いて、ある程度の心の準備をした上で、
涼しい顔で「素晴らしい佐藤錦ですね」、と、カッコつけたかったのですが・・・
人は、本当に美味しいものの前で、カッコなんかつけられません。
不作の年に、例年とは何ら変わらない、
これだけの品質の佐藤錦を作れるのには、やはり理由がありました。
太田さんが国内の大学と、海外の研究機関で研究を重ねて考案した
肥料のバランスや、水分コントロール、受粉方法などが、
異常気象をもはねのける、強くて美味しい佐藤錦を生んだのです。
少しだけ、山形訛りが混ざった、温かい口調の太田さんが、
冒頭の言葉をおっしゃった時だけは、
職人としての厳しさと誇りが強く込められた、強めの口調になっていました。
グッときます。
本物の職人が作った品に出会い、その品をお分けいただく。
私たちバイヤーの仕事における本分であり責任ですが、
同時に、
私たちバイヤーにとっての、この上ない喜びでもあります。
これからも、私たち虎ノ門市場のバイヤーは、
素晴らしい職人と素晴らしい品に出会った喜びと感動を、
商品の美味しさに添えて、皆様にお届けします!!
コメント